山中、長谷川両選手がそれぞれタイトルを保持、奪取しました。
どちらも見事な戦いでしたが、私は特に長谷川選手の戦いを称賛したいと思います。
三階級制覇を成し遂げた名チャンピオンですが、彼は本当ならばもっと結果を残せていた選手だと私は思っています。
彼がその勢いを失ったターニングポイントとなったのはモンティエル戦でしょう。あれに勝っていればもっといい結果を残せたはじです。でもそのモンティエル戦ですが、モンティエル選手のグローブの不正疑惑があったのはご存知でしょうか。
6年前に私も試合を見たときの長谷川選手の倒れ方、また試合後長谷川選手が顎を骨折したと聞いて、モンティエル選手は強打だが、そこまでだろうかと疑問に思ったのを覚えています。
今日のウーゴ・ルイス選手はさらに強打の持ち主ですが、長谷川選手はモンティエル戦のように打たれるシーンはありましたが、なんとか耐えています。もちろん色々な要素があるので簡単に判断してはいけませんが、個人的にはモンティエル選手のグローブはかなり怪しかったと今あらためて感じています。
あのモンティエルのワンパンチをもらう前までは、長谷川選手が明らかにリードしていました。長谷川選手の方が一枚上手だと感じさせてくれました。スポーツの世界で「もし」は禁物ですが、もしあれに勝っていたらと思うと、惜しいなという気持ちがどうしても少し出てきてしまいます。
長谷川選手はあの試合以降、それまでの輝きを少しづつ失ってしまいました。正直もう引退だと思いました。あとは最後の散る場を探しているかのように見えました。しかし、今日の試合でその予想を見事に覆してくれました。彼は本来持っていたものを最後の最後で爆発させました。長谷川選手はやはり歴史に残る名チャンピオンでした。見事です。並の元チャンピオンならまず負けていたでしょう。遠回りした感はありますが、見事に3階級王者となって本当によかったです。今一度おめでとうと言いたいです。