朝青龍が優勝しました。休場明けで引退のプレッシャーの中で優勝したことは評価したいと思いますが、私は彼はやはり横綱にふさわしくないと思っています。
朝青龍が嫌いだから言っているのではありません。相撲は日本の国技であると言われています。その中でも横綱は相撲の神とでもいうべき存在です。昔の最高位は大関で、その大関の中で特に優れ、神とでもいうべき品位や品格に満ちた力士が横綱になったのです。
朝青龍の相撲を見てください。(ここでは彼の相撲以外の言動は問おうとは思いません)彼の相撲に品位や品格、気品といったものがありますか?
確かにこれらのものは口でどういうものかを語るのは難しいです。昭和の剣聖と呼ばれた持田盛二先生は気品とは花でいうならば香りのようなものであると言っていますが、朝青龍の相撲にこの花の香りのような気品はありません。勝負がついたあとのダメ押しの突きやラリアットのような技は勝負後の気を抜かないといった残心からでるのではなく、「この野郎、やりやがったな」といった乱暴な血気からでる行為です。剣道であれば一本取った後でガッツポーズを取っただけでも、この一本が取り消しになります。
国技と言われる相撲で、しかも横綱という存在においてこういう行為が許されるのがおかしいのです。
何度も言いますが、相撲は単なるスポーツではありません。髷を結い、多くのしきたりや礼儀作法の中で戦いを展開していく大相撲は、勝ち負けだけを重んじるのではなく、日本文化特有の、品格や品位気品といった目には見えないものにも価値を置いているはずです。
朝青龍が他の格闘技で活躍しているならば、私も何も言いません。それどころか、積極的に支持するかもしれません。また大関ならば、あのような力士もまあ1人ぐらいいてもいいかなと何とか許すことができるかもしれません。
しかし、彼は横綱なんですよ。相撲がスポーツでない以上、あのような相撲を取る彼が横綱であってはならないと思います。大関への降格ができない今の大相撲界はそのあり方を問われていると言ってもいいのです。
一般の日本人も伝統的日本文化としての相撲をもう一度見直すべきときではないでしょうか?