今日12月9日は私にとって忘れる事のできない日だ。私の小学校時代の友人だった岡村武治の命日なのだ。彼がこの世を去ったのは高校一年のときだった。バイクに乗って電柱に激突してしまったのだ。
彼は私にとって特別な友人だった。私が剣道を始めたきっかけは彼の紹介だった。少し仲良くなった彼が剣道を習っていることを聞いて、前から剣道や武道に人並みならぬ興味があった私は彼にお願いして稽古を見学させて欲しいと頼んだのだった。忘れもしない小学校4年の4月8日だった。そして行ったその日に入門を決めた。
それからというもの彼と私の仲は益々近くなっていった。彼は決して頭は良くなかったが運動神経は良く、また愛嬌があってクラスのみんなから慕われていた。ソフトボールやサッカーもよく一緒にした。剣道も強かった。よく試合では優勝を争ったものだった。街にも良く遊びに行ってゲームセンターや当時流行っていたブルース・リーの映画など見たものだった。夏休みに私の家族と一緒に海にも遊びに行った。
しかし、中学高校と別の学校だったので交流が途絶えてしまった。剣道をやめてしまったのは聞いていたが、いつかまた会えるだろうと思っていた矢先に彼の訃報が届いた。
彼の死から長い月日が流れたが、彼との楽しい日々は今でも忘れる事ができない。そして、今でもすばらしい剣の道に導いてくれたことを心から感謝している。
合掌