最近になって地元の中学校の剣道部の指導をしている。
実は昨年も同校から依頼され指導したのだが、私と顧問の先生や生徒との意識の違いがあまりにも大きく、短期間で辞退したといういきさつがあった。その理由以外にも私の現代剣道に対する考え方の変化から、2年間半という限られた期間での指導、またどうしても試合偏重になりがちな学校剣道の指導は無理であると最近になり考えていた。
ところが、ポーランドから帰国すると同校の生徒の親から、顧問の先生も代わったこともあり是非また指導して欲しいとの要望があった。前述の理由から最初はお断りしたのだが、あまりにも熱心だったので、試合に勝つ事を目的としない等の私の指導方法を全面的に受け入れてもらえるならばという条件で承諾した。
実際数回指導してみて感じたのは、やはり非常に難しいということだった。昨年はまだ生徒の覇気が少しは感じられたのだが、今年はほとんどと言っていいほどそれが感じられない。
第一、生徒が全然声を出さない。返事がない、反応がない。
でもよく観察していると、彼らは声を出さないのじゃなくて、出せない、本当の自分の声を出す術を知らないのだ。彼らの多くは自分の本当の声がどんな声なのかおそらく知らないのだろう。つまり、自分の持っているエネルギーを今まで強く燃焼させた経験がないのだろう。
いやー、困った。これはかなり手強い相手ですね。引き受けた以上は何とかするつもりですが、どうなることやら。とにかく諦めずに頑張ります。これも天から自分に課せられた
宿題なのでしょう。