トランプ政権誕生以降どうも不安だ。彼だけでなく、先進国各国で国家主義的または国粋主義的なリーダーの台頭が目立つ。トランプ政権誕生はその象徴だ。
リーダーの台頭と言ったが、これは支持する人が増えていることを意味する。トランプは大統領としては愚かで危険なのはもちろんだが、もっと恐いのはその彼をアメリカ人の半数近くが支持したか、反対しなかったという事実だ。
私たちはまた大きな過ちを犯しはしないか。戦争やテロが頻発し、個人の自由が制限され、貧困や社会的弱者が増大しはしないか、 非常に不安を覚える。
先に言ったリーダーたちはみな自国の利益や安全を唱える。それらは至極当然のことではあるが、彼らの主張する方法でそれが確保できるのだろうか。私は否だと思う。むしろ確保できないばかりか他国との衝突にも繋がりかねない危険なものだ。今回のトランプの入国制限にしてみてもアメリカとアメリカ国民の安全のためと言っているが、一般のイスラム教徒(もちろんアメリカ国内にいるそれも含めて)をも敵にまわすことになり、かえって国内外のアメリカ人を危険に晒すだろう。多くのアメリカ人がそんなこともわからないほど冷静さを欠いている。裏を返せば冷静さを欠かせるような社会状況ということだろう。
今のような不公平・不安定な社会では時代に逆行する動きが出てくるのは世の常である。私たちは過去から今一度学び、この逆行の動きが大きな過ちにつながらないようにしなければならないのは言うまでもない。そしてこの不安定さや困難さのあとには希望ある新しい社会があると信じていこう。
繰り返すが、大きな過ちを犯さないと希望ある進化した社会を築けないのではダメだということである。
後の教科書に「20世紀の過ちを再び繰り返し、その反省を基にして今の社会を構築しました」なんて記述がないように心から祈る。